Inside JUN Auto Mechanic

everyday experience

10月 8

バルブスプリング交換

投稿者名: 担当A | カテゴリ: チューニング

バルブスプリングを交換します。


いや、ブログの書き出しって、いつも悩むんですよ。

「こんにちは」・・・・いや、いつも昼じゃないし。

「お世話になっております」・・・・FAXやメールでもあるまいし。

「ど~も。担当Aです。」・・・・軽いし、毎回名乗るな。


というわけで、色々考えたあげく、今回は「宣言」的な出だしとなりました。


「バルブスプリングを交換します。」


今回のバルブスプリング交換は「車上」です。


ヘッドは載せたまま、バルブスプリングを交換します。

これが結構大変というか、緊張感みなぎるというか。


みなぎる緊張感、したたる汗。


写真はV6横置きのリア側のヘッドでの作業風景です。

これがまた特にやりにくいですね。



さて、なんで車上でのバルブスプリング交換でそんなに緊張するのか?

それにはバルブスプリング周りの構造を説明する必要があります。


いつもならここで「面倒なので」とか言って説明を省略するところですが!

今日は違います。

ちゃんと説明します。画像入りで。



そもそも、バルブスプリングとはどうやってバルブに固定されているのか?

バルブの「棒」の部分です。ステムっていいます。

このバルブステムの端の方に溝がありますね。

ここに

こんな部品がつきます。

特に固定はされていません。

で、こうなります。

さっきの部品がくさびのようにストッパーになってリテーナーを受け止めています。

で、バルブスプリングの反発力でガッチリと固定されるって訳です。


この小さな部品、コッターとかコレットとか呼ばれるんですが (担当Aはコッター派です)

こんなに小さい。


バルブスプリングを交換する際には、バルブスプリングを縮めてこのコッターを取り外すのですが、

ついうっかり、落としてしまうと・・・・・・大変です。


こんな小さい物、簡単に行方不明になります。

エンジン内に落ちてしまった場合、オイルパンまで落下していれば外して救出も可能ですが、

どこかに引っかかってしまえば最悪はエンジン全バラ。

部品自体は新しいのを用意すれば済みますが、

エンジン内に部品を落とした場合、何が起こるか分からないので確実に排除しなくてはなりません。


絶対にコッターを飛ばしてはならない。


緊張します。


余談ですが、たまにエンジン組立室で、床を四つんばいで這いずり回っているヤツがいたりしますが、

十中八九、コッター飛ばしですね。


ちなみに、バルブスプリングを縮める際にはこんな道具を使います。

てこの原理でリテーナーを押してスプリングを縮めるのですが、

ただ押しただけではバルブが一緒にリフトしてしまうと思ったアナタはスルドイです。

バルブはリフトしないように固定して、スプリングだけを縮めなくてはなりません。

そこで、プラグの穴からエア圧をかけて、バルブをヘッドへ押しつけて固定します。

こうしておけばバルブスプリングを外した後もバルブが燃焼室内に落っこちてしまったりしないのです。


ウチのメカニック達はこれぐらいのことは数限りなくこなしているので、

平気な顔してやってますけれども、

実は意外と緊張感と集中力の必要な作業なのでした。


ではまた。






コメント(2)

関連記事

2 Responses to “バルブスプリング交換”

  1. GC8 より:

    こんばんは!
    コッター飛ばし・・・考えただけでぞっとします。
    みなさん今でこそプロですが、昔はそんなことを何度もやって成長したんだと思うと、自分も頑張って働いて経験つんでいこうという気になりますね!

    • 担当A より:

      GC8さん、コメントありがとうございます。

      そうです。誰だって最初は素人なんです。

      色々な経験をしながら大きくなっていくのです。担当Aにもいろいろありました。それこそ人に言えないようなことも。

      もちろん、作業する人間の未熟さでお客様に迷惑がかかるような事にはならないようにしていますのでご安心を。

Leave a Reply